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モノから人が見えてくる大学教員モノ語り 法科大学院 能見 善久教授のモノ語り「法律をつくることは 人を見つめること」

教員プロフ 法科大学院 民法・信託法 能見 善久 教授

いま注目の「ヨウ素やセシウム」研究における第一人者

1948年、東京都生まれ。小学校時代のほとんどをアメリカで過ごす。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科教授を経て、2008年から学習院大学法科大学院教授。法科大学院で司法試験合格をめざす学生たちを指導する傍ら、学習院大学法学部および大学院法学研究科でも講義を行っている。カンボジアの民法典起草に寄与したとして、2009年にカンボジア政府より勲章を授与される。著書に『現代信託法』など。信託法学会理事長。

Q.先生にとって大切なモノを見せてください。

一国の法律をつくりました。

1970年代、カンボジアがクメール・ルージュの政権だった時に、法律家や知識人がみな殺されてしまったんです。その後、カンボジアが現在の政府になった時、知識人も法律もないために世界各国に支援を求めた。そこで、日本の担当である民法典づくりに私も加わったんです。記念にいただいた勲章がこれ。調査期間を経て、2000年頃から2週間ずつぐらい5、6回は現地に飛びました。そうやって4年ほどかけて起草したものがカンボジアの法律になりました。たとえばカンボジアには、村全体で土地を所有するという形態があるんです。そこに暮らす人々の独自の文化や実情を尊重しながら法律をつくるのは苦労しましたが、カンボジア国民の役に立ったと思うとうれしいですね。

1品目 カンボジア政府から贈られた勲章
2品目 梅謙次郎『民法要義』

大学を卒業して法律の研究者になろうと決意し、助手として研究生活をスタートした時に買った本です。明治時代にできた民法典を起草した人が書いた、民法の出発点となる本。民法を志したのは、大学時代の先生の影響が大きい。その先生は何も知らない学生に対して、ほんとうにわかりやすく民法の面白さを教えてくれた。民法って日常生活のあらゆることに関係する、最も重要な法律だと思うんです。だから僕も、学生たちにはなるべく実際の生活に即した身近な事例を挙げて、面白さを知ってもらいたい。もともと映画やドラマを観るのが好きなんだけど、気付くと「これは授業に使えるな」なんて考えていることもありますよ。

3品目 ペリカンの万年筆

最初は大学入学の時に、おじさんにもらいました。なめらかに書けるから気に入って、買い替える時も必ずペリカンに。今持っているのはもう3代目になります。初代の万年筆は助手のころ、学者になるための論文を書くのに使いました。鉛筆やボールペンだと力が入りすぎて疲れてしまう。論文は原稿用紙にして1000枚程度書かなきゃいけなかったから、その時に万年筆のよさを認識しましたね。僕は宿題でもなんでもギリギリでバーッとやるタイプだから、書きやすくなきゃダメなんです。教授というと、論文や提出物を早めにやるように見える? いやいや、大学の先生ほど約束の期限を守らない人はいませんよ(笑)。パソコンの仕事が増えた今も、そしてきっとこれからも大事な相棒です。

Q.先生のキャンパスライフってどんな感じですか?

週の半分は朝4時起き!?

現在7コマの授業を抱えている能見先生。1週間のうちでも忙しい日とややゆとりのある日の2パターンで起床/就寝時間がまったく違うのが特徴的です。

4:00 起床・仕事1

授業は月・水・木曜に集中している。
「朝に集中して仕事するのがいちばん効率的」。

9:00 起床・仕事2

ゆとりのある日は9時に起床。
少しだけ仕事をして出勤。

10:00 出勤

基本は愛妻弁当。忙しい時にはパソコンに向かって仕事をしながら食べることも。

14:00 授業 21:00帰宅・夕食

朝早い日は授業の合間にソファでちょっと横になるときも。研究室には寝袋も完備!

22:00 就寝1

「4時に起きた日はこれぐらいの時間に力尽きて(笑)」早めに就寝。

25:00 就寝2

ゆっくりできる日は夕食後、DVDを観たりして過ごす。

Q.普段はなかなか聞けないことを一問一答で教えてください。

いま、熱中していることは?
少し前から中国語を勉強しはじめました。池袋の語学学校に通ったり、中国語の映画を観たりしています。
プライベートのハプニングや失敗談はありますか?
友人を成田空港に送ったら、羽田と間違えていたことが発覚。急いで羽田に向かったらその飛行機が遅れていて、ギリギリ間に合ったんです。何事も諦めてはいけないね(笑)。
職業病はありますか?
サスペンス映画などの相続殺人のシーンで「殺人の時点で相続権は失われるのに」と思ったりして集中できないことかな(笑)。
これからの夢を教えてください。
著書や論文を書き続けること。やさしい内容の、50年間読み継がれるようなものが書けたら本望です。

My Favorite! 教員編

好きな場所:

目白聖公会

郵便局に行く途中の休憩スポット。
好きなランチ:

生そば車の鯛焼き

冬場になると時々買っています。
取材を終えて・・・ 取材・文=鈴木 文恵

学生へのやさしさが溢れるチャレンジャー

60代になってから中国語の勉強をはじめるなど、チャレンジ精神を忘れない能見先生。
「学生のみんなに希望を与えられるような教師でありたい」という言葉がとても印象的でした。