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Close-up Seminar

哲学科

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2年次演習A

アイドルにも人気の哲学。哲学やるとどうなるの?

世界は変えられなくても
自分は変えられる

 2017年の夏、突然の「結婚宣言」で話題になった女性アイドルがいましたが、彼女は19世紀ドイツの哲学者ニーチェの大ファンだそうです。彼女だけでなく、今、一部の若い人達の間で哲学が人気です。ライトノベル、アニメなどサブカルチャー諸分野と哲学の融合も進み、ポップでわかりやすい言葉を使った哲学書が出版されるなど、哲学書を手に取りやすくなったこともその理由かもしれません。しかし、哲学を学んだ先には何があるのでしょう? 

 ネーゲルという哲学者は「哲学は世界を変えるものではなく、世界を理解するもの」と言っています。哲学は、時に、私達がなんとなく当たり前に思っていたことを全く覆してしまうことがあります。常識や固定観念と呼ばれているものを疑う新たな視点を与えてくれる、とも言えるでしょう。世界を変えることは難しいかもしれませんが、世界の理解が変われば、今までとは違った世界が見えてきます。そして、さらに深く考えていくと、私達はその新たな視点さえ疑うことができることを発見します。そこまで至った「自分」は、より広い視野と自由な思考を得た、以前よりはちょっとだけ素敵な「自分」、ということになるでしょう。実は、世界の理解の仕方が変わるということは、世界を理解する自分が変わることでもあるわけです。外見は変わりませんが。

なんでこんなことを書いたんですか?
プラトンさん

 2017年度の本演習では古代ギリシアの哲学者プラトンの書いた『イオン』という対話篇を原典で講読しました。プラトンの対話篇は専門用語がほとんどなく読みやすいのが特徴です。この作品はソクラテスがイオンという人としている会話だけで構成されています。そんな作品を書いたプラトンの意図はどこにあるのか? 古典ギリシア語で原典にあたりつつ、その謎を読み解いていくのがこの演習です。よければプラトン『ソクラテスの弁明』から読んでみてください。プラトンの隠された真意を謎解きのように考えるのは楽しいですよ。

小島和男 准教授

学習院大学文学部哲学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。同大より哲学博士取得。2004年学習院大学文学部哲学科助手。2009年現職。専門:ギリシア哲学。

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