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Close-up Seminar

心理学科

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臨床心理学ゼミナールB

「虐待」に「引きこもり」おとぎ話には現代的なテーマが隠れている

グリム童話で
心理的解釈をする

 おとぎ話には、どきっとするような描写がたくさんあります。私が心理的解釈の素材として用いる『グリム童話』はその代表で、『ヘンゼルとグレーテル』における育児放棄など顕著な例です。また、現代的な社会問題との結びつきも少なからずあります。『黄金の子どもたち』という作品では、勇気ある挑戦者として描かれる弟よりも、引きこもりのように描かれた兄のほうが、いざという時に力を発揮します。外向的な人、内向的な人がいるけれど、それぞれに持ち味があってよいという読み方もできます。

 本ゼミナールではこのような心理解釈を含み、大学院に進学してカウンセリングのプロを目指す人も、他の道に進む人も、共に臨床心理療法の基礎を学ぶ入門的な内容で指導しています。

ロールプレイで
他者への共感力を育てる

 前期には理論と技法の入門実習を行います。ペアになって、互いに自分自身の感情体験を話し、言葉だけでなく表情や姿勢から感情を感じ取り、カウンセリングで必要な「傾聴」の姿勢を学びます。また、目隠しをして、人のサポートを受けて歩く「ブラインド・ウォーク」体験も。ほとんどの学生が未体験の「援助される側」を体感し、本当に必要な配慮を学びます。

 後期には前述のようにおとぎ話を題材に心理的な解釈をし、そこに隠された深い真実を探っていきます。また、ユングが自ら試みた表現技法「アクティブ・イマジネーション」も行います。絵を元に物語を作るなどイメージから感じ取る体験は、言葉にならない相手の心を感じ取る訓練になり、プレイセラピーなど遊びの中で展開する心理療法につながります。

 どのような進路に進むとしても、心の問題は必ずついて回ります。何か問題が起きたとき、心理療法という手法があることやその内容がわかっていることは、生きていくうえで大きな強みとなることでしょう。

吉川眞理 教授

京都大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。教育学博士。山梨大学助教授を経て、2001年学習院大学文学部助教授、2014年より現職。専門:臨床心理学。

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