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Close-up Seminar

化学科

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大野研究室

石ころから地球の歴史が見えてくる

生命誕生の鍵を握る
ウランという元素

 物質をもとに地球の歴史を知るには、その物質がいつできたかを調べる必要があります。私達の研究室では、ウランという元素が45億年経つと、元々あったウランの半分が鉛という元素に変わる性質を用いて研究しています。その際、ジルコンという石が重要な役割を担います。ジルコンができるときには、化学的性質の違いからウランは含まれますが、鉛は含まれないという現象が起きます。時間と共にジルコンに含まれるウランは鉛に変わっていくので、その量比を比べることで年代を調べることができるのです。

 その手法を用いて、年代測定で40億年以前とわかった古い石から、生物が誕生した時代の環境を探ろうとしています。その頃、水があったことなどは報告されていますが、生命が誕生した当時の海水の組成などまだ多くのことが明らかになっていません。これらの情報をもとに生命誕生に必要な環境について理解したいと考えています。

社会的意義の大きい
食の安全も研究領域

 私自身は、学生時代に地球の成り立ちや生命の進化を読み解く「地球惑星科学」と出会ったことが、現在の研究の入り口となりました。地球誕生から46億年の歴史と、原子レベルの反応から太陽系形成まで扱う対象の大きさに魅力を感じます。一方で、水銀による汚染問題や福島原発事故後、農作物に取り込まれる放射性セシウムなども研究対象としています。

 学生は、まず化学分析に慣れるために、分析機器を使って水道水や海水を試料にし、わずかに含まれる元素の濃度などを調べて分析技術を習得します。その後、一人ひとりの興味に沿った研究テーマを決め、報告会やゼミ合宿、無機分析系の3研究室合同のセミナーを経て卒業論文を完成させます。このゼミを通じて、主体的に物事に取り組めるようになり、自信をつけて社会に羽ばたいてもらいたいと思います。

大野剛 准教授

東京工業大学理学部地球惑星科学科卒業。同学大学院理工学研究科博士課程修了。ケンブリッジ大学客員研究員などを経て、2011年に学習院大学着任。専門:環境地球化学、分析化学。

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