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Close-up Seminar

数学科

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数学特別研究

紙と鉛筆と情熱だけで、世界の数学者と同じ土俵に立てる

実は、数学は数だけを扱う
学問ではなかった?

 私のゼミでは、「数論」をテーマにしています。数論とは、 数学でも、“数”を扱う特殊な分野です。こうお話しすると、どちらも“数”が付く学問なので、少しわかりづらいかもしれません。これは数学を英語にして考えるとわかりやすいです。「Mathematics」といいますが、そもそも「論理立てて説明する」という意味合いがあります。つまり、数学の中でも数の性質を探究する分野。それが数論です。

 現在、ゼミのグループは二つのテーマについて学んでいます。ひとつは「楕円曲線」。簡単に説明するのは難しいのですが、代数的な構造と幾何的な構造、双方が相まって、非常に面白い性質をもつ曲線です。もうひとつは「約数問題」について。例えば、6の約数は、1、2、3ですが、それらの総和は6になる。このように自分を除く約数の総和が自分自身になる数を「完全数」といいます。6以外にも完全数は、28や496などいくつかあり、どのようなものがあるのかなどを調べています。

今なお、学び続けられる
数論の魅力とは

 数論は2000年の歴史を持ち、私の研究テーマ「イデアル類群」についても、まだ証明されていない事柄が多くあります。数論の魅力は、そういった誰もが解き明かしていない謎を解明する、というところにあります。また、「数学的美しさ」への憧れもあると思います。先ほどの完全数でも、完全数か否かを数式で特徴づけるわけですが、その数式に現れる意外な形の素数が、完全数の本質をあぶり出している。そこに美や感動を覚えるわけです。

 そして、学問の中でも極めてシンプルで奥深い分野というのも大きな特徴といえます。必要なものは、紙と鉛筆のみ。それだけで、世界の数学者と同じ土俵に立つことができるのです。もちろん、寝ても覚めても、学び続けられる情熱と根気が必要ですが、そこにやりがいを感じている学生も少なくありません。

中野伸 教授

学習院大学卒業。同大学院博士後期課程修了。理学博士号取得。学習院大学理学部助手、名古屋大学理学部講師、学習院大学理学部助教授を経て、2007年より現職。専門:数論。

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