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Close-up Seminar

英語英米文化学科

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アメリカ文化と
荒木先生に惹かれて
ゼミに参加

文学部英語英米文化学科4年

中林愛絵

カナダ・Gulf Islands Secondary School 出身

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1年次に履修した荒木純子先生の授業でアメリカ文化に関心をもつようになり、先生の元気で明るい人柄に惹かれたこともあって、このゼミを志望しました。4年次は19世紀の思想家ラルフ・ウォルドー・エマソンの有名なスピーチ“The American Scholar”を分析しながら、同時並行で卒業論文にも取り組みました。高校生の頃は、ゼミでは先生の専門分野についてしか卒業論文を書けないのかと思っていましたが、荒木先生は古典の精読や展覧会鑑賞など幅広く学び、研究する機会を与えてくださいました。そして卒業論文ではアメリカで活躍したバレエの振付家ジョージ・バランシンの作品The Four Temperamentsを取り上げ、女性ダンサーの主体性に注目して、作品の構造と振付を分析しました。卒業後もアメリカ文化はもちろんのこと、世界の多様な文化や社会に目を向けていきたいと思っています。

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英語文化コースゼミナールB

アメリカで
女性大統領が
誕生しないのはなぜ?

アメリカの成り立ちでわかる
女性の社会進出の難しさ

 トランプ大統領は「移民の子どもに市民権を与える制度を廃止する」と公言しています。その制度は「バースライト・シチズンシップ」といって、アメリカで生まれた人にはアメリカ人としての市民権を与えよう、という内容のものです。元々南北戦争を機に、アメリカ生まれの黒人にも市民権を与えるべく誕生した、アメリカの民主主義の根幹といえるものです。一人の大統領が、一時の感情で簡単に覆せるものではありません。

 また、2016年の大統領選でヒラリー・クリントンが負けたとき、なぜ女性を軽視するトランプが勝ったのか不思議に思いませんでしたか? アメリカで女性に選挙権が与えられたのは、黒人男性が選挙権を得たより後で、それだけ女性の権利がないがしろにされてきたという背景があります。「男性>女性」「黒人男性>白人女性」という構図は、オバマとヒラリーが2008年の民主党候補選を戦ったときにも見え隠れします。もちろんヒラリーの敗戦はそれだけが理由ではありませんが、アメリカの成り立ちを知ると、女性の社会進出の難しさやその根深さが見えてきます。

 本ゼミでは、このように古典的な原典だけでなく、ニュースも使ってアメリカの歴史や社会などへの理解を深めていきます。

英語で伝えるためには
言語だけでなく文化を学ぶこと

 3年次は英語文献を講読し、その内容について発表。4年次には各自テーマを決め、卒業論文に向けて研究を深めます。近年は、ゼミの最初の課題としてトランプ大統領をツイッターでフォローしてもらっています。先ほど例を挙げたように、彼の発言から現代のアメリカを知り、そして南北戦争以前の近代アメリカ史まで理解を掘り下げていくためです。

 英語が好きな人など、メソッドを主に学ぶ人は多いと思います。しかし、英語はあくまで手段です。伝える内容がないと意味がありませんし、英語圏では聖書などをもととした比喩を知らないと会話が成り立たないこともあります。文化的な背景を知ることは、コミュニケーションをとるうえでも大切なことなのです。

荒木純子教授

東京大学大学院博士課程満期退学。ハーバード大学留学、東京大学アメリカ太平洋地域研究センター研究機関研究員などを経て、2018年度より現職。専門:アメリカ史・アメリカ研究。

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