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Close-up Seminar

化学科

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主体的に行動する
ことで、やりがいも
感じられる

自然科学研究科 化学専攻 修士2年

森 基彰

千葉県・私立志学館高等部 出身

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教授の方々が行う研究室紹介で興味をもち、半導体関連の研究を行える点が決め手となってこの研究室に所属しました。太陽電池に使用される有機混合膜について研究しており、試料の作製から装置の組み立てに至るまで、一貫して行っています。研究室では、自分がやりたいと思ったことを、自分が考えた方法でやらせてもらえます。もちろん、その分責任も大きくなってきますが、楽しさも比例して大きくなり、やりがいを感じられます。研究や週二回の研究報告を通じて、半導体や分光の知識はもちろん、プレゼン能力や自分の考えをしっかりと相手に伝える力も培われました。将来は、それらの知識や能力を活かして、世界で活躍する技術者になりたいです。

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齊藤研究室

ステンドグラスを
赤くするのは金?
ナノ世界から探る真実

顕微鏡でのぞく、
0.000000001mの世界

 私たちの研究室では、“顕微鏡をつくる”ということを行っています。多様な顕微鏡を開発しますが、特に力を注いでいるのは「近接場光学顕微鏡」。この顕微鏡で観測できるのは、0.000000001m(ナノメートル)の世界です。

 物質は原子または分子の集合体ですが、顕微鏡と分光技術を組み合わせることで、小さな構造や構成単位を観測することができ、そこから電子状態や結晶欠陥、分子の配向、および分子間相互作用などの情報を得ることができます。例えば、この近接場光学顕微鏡を使って赤いステンドグラスを観測すると、赤色に見せているのは、実は金のナノ粒子であることがわかります。ナノ粒子中の電子が、ここは狭いなあと感じるために金色ではなく、赤色として認識される効果が表れるのです。このように、様々な金属ナノ粒子を顕微鏡で観測し、分析することで、今まで見えなかった新しい事実や可能性が見えてきます。また、ナノ粒子1個1個にも個性があるため、顕微鏡の感度と精度を上げ“1個のナノ粒子”に迫り、物性の本質を解き明かす研究に取り組んでいます。それは、私たちの生活を変える新技術の基礎にもつながるものです。

見えなかったものが
見えてくる面白さ

 今も発展を続ける顕微鏡の技術。その進化に伴い、医療の分野ではナノ粒子を用いて、身体に負担をかけずにがん細胞を破壊する研究が進められ、薬を患部に直接届ける「ドラッグデリバリー」の技術も生まれました。また、ナノ粒子が光を吸収して電子を生み出す過程が観測されたことで「高効率な太陽電池」の誕生が期待されているなど、新しい技術の基盤には、顕微鏡による観測と分析の結果があるのです。

 研究室では週に2回ほど研究報告の場を設け、実験データの検証や観測に至るまでの過程、または困っていることなどを話し合います。また、応用物理学会に参加し、研究成果を発表する機会などもあります。学生たちは研究を通じて、見えなかったものが見えてくることに、日々喜びを感じているようです。

齊藤結花教授

東京大学理学部化学科卒業、同大学大学院博士課程修了。イギリスLeeds大学博士研究員、理化学研究所基礎科学特別研究員、大阪大学准教授などを経て、2016年より現職。専門:近接場光学顕微鏡とナノ材料。

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