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Close-up Seminar

数学科

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ゼミで身につけた
力は、大学以外でも
活かされている

理学部数学科4年

町田理駆

神奈川県・私立関東学院高等学校 出身

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ゼミでは「微分形式」をテーマにそれぞれが課題に取り組んでおり、私自身は「マイヤー・ビートリス完全列とド・ラームのコホモロジー」について研究中です。「なぜ、その結果が導き出されるのか」ということを論理的に考え分析できたときや、その結果がほかの定理とどう結びつくのか理解できたときに、面白さを感じています。取り組んだ内容について発表や議論をする機会もあり、その際、ほかのゼミ生の別解や意見に触れることで理解が深まり、論理的思考力や自分の考えを伝える力も身につきました。塾講師のアルバイトをしていますが、相手が理解できるようにわかりやすく伝える力は、そういった場面でも活かされています。

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細野ゼミ

図形の幾何学を
「数学」する

性質で呼び方が変わる
多様体ってどんなもの?

 私のゼミナールでは、微分形式というものを通して、可微分多様体の幾何学を調べる手法について学びます。この「可微分多様体」とはいったいどういうものなのでしょうか?

 高校では円や楕円、放物線のような図形を「x,y」を用いて方程式で表すことを学びます。方程式を複雑にすれば曲線も表せ、「x,y,z」とすれば球面のような曲面も表せます。一方、穴のあるドーナッツのような図形は簡単な方程式では表せません。数学ではこのような曲線や曲面が一般化された図形を「多様体」と呼び、着目する性質や手法の違いによって「可微分多様体」「複素多様体」などと呼びます。

 本ゼミでは、前期に輪講というスタイルでテキストを読み、基礎的な知識を身につけます。後期には学生の興味・関心に応じた課題を割り当て、それぞれがその課題に段階的に取り組み、順次発表。他の学生の質問を受け付け、そこから議論を深めます。2018年度の課題としては「1の分割とその応用」「変分法と測地線・測地座標系」(飛行機の経路にも活用されるものです)などを設けました。

 学生たちは2月に開催される数学科全体の卒業研究発表会に向けて研究を深め、成果をまとめ上げます。限られた時間で、自分が取り組んだ課題の数学的な背景や意味を含めて説明することは、決して易しいものではありません。

数学は、様々な可能性を
秘めている

 私たちは地球という図形(球)の上に住んでいます。では、宇宙はいったいどのような形をしているのでしょうか? 現代物理学では宇宙をひとつの多様体と考えています。このような視点から、近年、カラビ・ヤウ多様体と呼ばれる多様体が、理論物理学と数学の立場から研究されています。理論物理学は、実験という検証によって確立されていきます。一方で、数学では数学の論理体系で正しいものは時を超えて定理や命題として残ります。百年後にサイエンスが必要とする数学はどのようなものかわかりませんが、数学の真理が時を超えてサイエンスに役立つ、そこに数学の魅力があると思います。

細野 忍教授

名古屋大学理学部卒業、富山大学理学部助教授、ハーバード大学ポスドク、客員研究員、東京大学大学院数理科学研究科准教授を経て現職。日本数学会所属。専門:複素多様体、数理物理学。

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